待ちに待った『ダリル・ディクソン シーズン2 -キャロルの書-』が、2024年9月30日から日本でもU-NEXT(ユーネクスト)で独占配信開始されました。
長らく『ウォーキング・デッド』の新作を観ていなかったので、最近はウォーキング・デッド熱が冷めていましたが、今回の第1話を見て、この先数週間は再びウォーキング・デッド熱が戻ってきそうです…。
シーズン2はタイトルに「キャロルの書」と入っている通り、ダリルの相棒とも呼べるキャロルが本格登場します。本来はシーズン1にもがっつり登場する予定だったのですが、役を演じるメリッサ・マクブライドが、欧州での撮影のため出演を辞退した、と報じられていました。しかしサプライズでシーズン1の最後に登場し、シーズン2で本格復帰することが発表されていたのです。
『ダリル・ディクソン』シーズン2 第1話のレビュー
キャロルが音信不通になったダリルを探しているところでシーズン1は幕が閉じ、今回のシーズン2はキャロルによるダリル探しの続きからとなります。
娘ソフィアのフラッシュバックと娘の嘘を付く
1話目のサプライズは、キャロルの娘ソフィアがフラッシュバックで登場したことです。
ソフィアと言えば、ウォーキング・デッドの初期に亡くなっており、キャロルがもっとも苦しんだ出来事。
今回、キャロルは飛行機を所有し、操縦もできるアッシュ・パテルという男の住処にたどり着くわけですが、そこの敷地内の建物を開けるときに、ハーシェル家の納屋からウォーカー化したソフィアが出てくるフラッシュバックを見ることになります。
ちなみに、あの建物を見た瞬間にわたしも「ソフィアが出てきそうだなぁ」と思っていたら、その直後にまさかのフラッシュバッグとなり驚きました。
このフラッシュバックのシーンについて、キャロル役を演じたメリッサ・マクブライドが語っています。
現在の夜からフラッシュバックの昼間に入るのは少し混乱したわ。でも、あのシーンを演じるのはとても楽しかったし、大好きだった
ハーシェルの納屋のシーンを再演するという話を初めて聞いたときは驚いたそう。
脚本で読んだときは驚いたわ。 本当にやるの? フラッシュバックして全部再現するの?って
あのシーンの監督を担当したのは、ウォーキング・デッドの初期から携わっているグレッグ・ニコテロ。
彼はソフィアが納屋から出てきたシーンの撮影に実際に立ち会った数少ない人物のひとりです。 彼も「あのシーンを再現するのは本当にワイルドだった」とインタビューに答えています。
続けてキャロル役のメリッサ・マクブライドは以下のように語っています。
ここには干し草が必要で、あそこには死体がある。あそこに血を流して、ここにゾンビの死体があった。だから、納屋の横を見ながら立っているのは本当に不思議な感じだった。撮影のとき、あの場所にいたときの気持ちに戻ったわ。
セットを見に来て、全体がどのように再現されているかを見たとき、なんだか妙に不思議な感じがしたの。グレッグもセットデザイナーもみんな素晴らしい仕事をして再現してくれた。ソフィア役の女の子は彼女にそっくりだった。何もかもが似ていて、キャロルにとってはすべてがそこにあったんだ
また、メリッサ・マクブライドは『ウォーキング・デッド』の共演者や監督に感じている「繋がり」も鍵だったと話します。
ノーマンとグレッグを見ているだけで、どれだけ長い間一緒にいるんだろうっていつも思います。そしてグレッグは、昔と変わらずこの番組に出演することに興奮している。あのシーンが実現するのであればこれ以上の方法はないと思う。家から遠く離れた場所であのシーンを撮影しているときに、グレッグがここにいてくれたことは、ある意味、不思議で美しくて魔法のようでした
グレッグ・ニコテロはあの撮影シーンについて即興だったと語っています。
彼が話しているのは、ソフィアがキャロルの腕に触れる最後のショット。実はあれはもともと脚本にはなく、撮影当日に即興で撮ったものだと明かしたのです。
ある時、あるテイクを撮ったんだけど、女の子がだんだん近づいてきて、僕はこう言ったんだ
『私たちの新しいバージョンでは、リックは(ウォーカー化したソフィアを殺す)引き金を引くためにそこにいない。リックがいなかったらどうなる?ソフィアはどんどん前に出てくる。キャロルの本当の望みは?娘にもう一度触れたい。娘と触れ合いたいのです。だから私たちは、この小さなソフィアがキャロルの腕に触れ、キャロルはそれが本当に必要なことであるかのように下を向くというバージョンを作りました。そして、彼女はその幻覚から劇的に引き出されるんだ…
さて、話を元に戻して、「なぜここでソフィアのフラッシュバックを見るのか?」と不思議でしたが、それはフランスに行くうえで非常に重要なものだったというのがわかります。
キャロルは、かつてダリルが滞在していたキャンプ地へ向かい、そこで彼が船でフランスへ渡ったことを聞き出します。
しかし船は定期的に出ているものではなく、実際に船着場へ行くも干上がっており、とても船が停泊できる状態ではありません。
森のなかを車で走っていると、上空に小さなプロペラ機が飛んでいるのを目にし、最終的にそのプロペラ機の所有者であり、一人で暮らしているアッシュ・パテルという人物に出会います。
キャロルの目的は、彼が持っている飛行機でフランスへ行くこと。
当然ながらその目的は当初は隠しているわけですが、彼とのある共通点を見つけます。それはお互いに子供を亡くしていること。
アッシュ・パテルも息子を亡くしており、お墓を大事そうに守っていたのです。彼は息子が好きだった飛行機を息子が亡くなったあとに偶然見つけ、部品を組み立て直して飛ぶようにしたと。つまり飛行機=息子を思い出すうえで非常に大事なものなのです。
アッシュに目的地を聞かれたキャロルは、自身の目的を果たすべく「嘘」を付きます。それは世界が一変する前に父親が娘を連れてフランスへ行ってしまい、そこからずっと会っていないから娘に会いに行く、というもの。突然フランスへ渡る決断をしたのは「前へ進むため」だとか。
アッシュも頭の回転が早いため、キャロルが自分の飛行機目当てだということを悟ります。
最終的にアッシュも「前へ進むため」に、ずっとお墓のそばにいるのではなく、キャロルが無事に娘に会えるために協力すると言い、フランスへ向かうことにするのです。
しかし、キャロルはこの段階で真実を話していません。すでに娘ソフィアはこの世におらず亡くなっていることを。
おそらくフランスには2人とも無事で到着するのでしょうが、真実を知ったとき、彼はどのような反応をするのでしょうか?子供のことで、ある種の同情を誘われ、でも実は友人を見つけるために異国に来たということを…。
キャロルは戦闘力とともに、実は話術もあることがわかったエピソードでしたね。目的のためなら手段を選ばない。娘のこと、嘘を付いてでも目的を果たす。あらゆる面でますます強くなっていくキャロルでした。
なぜジェネットを始末しない…!!!
続いてはフランスでのダリルの出来事。
結局、フランスに残ることになったダリルは、シーズン1の最後でウォーカーに囲まれたローランを助け、みんなが滞在している隠れ家(モン・サン=ミシェル)に移動します。
話は逸れますが、1話目からモン・サン=ミシェルの映像がとても素敵でした。ドローンを駆使した映像ですが、やはり映えますね。改めて舞台をフランスにして正解だったのではないかと思います。
さて、パリにいる仲間たちがジェネットたちに捕まったと報告が来ます。ダリルの助言により、仲間が移送されている途中で襲撃し、奪還する作戦を取ることに。
ダリルたちは待ち伏せし、そこに偵察通り、3台の車両がやってきます。しかし仕掛けた爆弾が作動せず、急遽、ダリルが車列に向かって発砲。
先頭車両が大破し、後続車に乗っている敵も始末。無事、仲間を奪還することに成功します。
ところが先頭車両に乗っていたジェネットが現れ「油断していた」と弱音を吐きます。
ダリルは銃で彼女を始末しようとしますが、その直後に背後で大きな爆発が起こり、それに気を取られているうちに彼女は逃げてしまうのです。
ダリルはそのまま仲間と共に撤収するわけですが、なぜあそこでジェネットを探してトドメを刺さない?
だって彼女が一番の元凶なんだから、彼女を始末すればすべて終わるはず。しかも爆発の一瞬の隙に逃げたから、明らかに探せばすぐ見つかるし…。おまけに負傷してるんだから遠くには逃げられない。何故すぐにあとを追わない?
と、ツッコミながら見ていました(笑)
まぁあそこで始末してしまったら物語が完結してしまうので仕方ありませんが…。
ダリルはやはりアメリカに戻りたいようです。仲間のことを気にしている。フランスはあまり居心地がよくなさそう。彼はまさかキャロルが来ようとしているなんて想像もしてませんから、フランスで再会した暁にはどんな反応をするんですかね?やっぱり喜びですかね?
『ダリル・ディクソン』シーズン2 第1話の撮影裏写真
まとめ
『ダリル・ディクソン』シーズン2第1話のレビューでした。
やはりキャロルの登場は嬉しいですね。まだダリルとは再会していませんが、一体どうやって再会するのか?再会するまでの旅路がとても楽しそうで、今回も全6話があっという間だと思います。
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